ネットニュースで気になる記事を見つけました。20~30代の若者にとったアンケートでは、もし親が亡くなったとき、半数以上が通夜も告別式もしない“直葬”を希望しているそうです。

 

直葬を選択した人の約半数は「お金がもったいないから」という理由でした。そして40%くらいの人は「お葬式はめんどくさいから」という理由で直葬を希望しているそうです。

 

私も葬儀社で働く前は、お葬式に参列するのはめんどくさいと思っていました。親しかった人の葬儀なら行きたいですが、疎遠だった人の葬儀なら、できれば行きたくありません。

 

学生だったら学校を休んだり、社会人だったら仕事を休まないといけませんし、遠くに住んでいる人ならば交通費もばかになりません。

 

「お葬式を面倒と思うなんて薄情だ!」という意見もあると思いますが、実際、若い世代でお葬式は面倒だと思っている人は多いと思います。

 

通夜をしない一日葬や直葬が増えているのは、料金が安くなるのも理由の一つですが、すべてを一日で終わらせた方が楽だからというのもあると思います。

 

アメリカでは遠方に住む人が現地に行かなくても葬儀の様子を見れるように、葬儀の様子をネット中継するところがあるそうです。

 

日本ではまだ受け入れられない価値観ですが、いずれは日本でもそうなるかもしれません。

 

葬儀社から見ても葬儀は大変だと思う

葬儀の現場で働いていると、遺族の人が苦労しているのを目の当たりにします。

 

最期を看取って心身ともに疲れ果てた状態で、
葬儀社と打ち合わせをして、
親戚や勤め先、知人や近所の人に連絡、
遺影写真を選らんで、
死亡診断書を書いて、
通夜が始まったら受付をして、
参列者にお礼を言って回って、
葬儀が終わっても法事ごとが続き、
香典返しや納骨のことまで考えないといけません。

 

そして体力と気力を振り絞って葬儀をやりきっても、口の悪い親戚や参列者からグチグチ言われることがあります。

 

確かに、日本の葬儀文化はとても時間とお金がかかります。それらの手順が必要かと言われると、そうでもなくて、中には葬儀社やお寺が儲けるために作られた部分もあるので、葬儀の簡素化が進むのは正常な方向に向かっているのかもしれません。

 

昭和の日本が成長期だった時代は人々の繋がりが強かったので、遠くに住んでいる人も駆けつけて、大金をかけて葬儀をしても成り立っていましたが、今はそういう時代ではありません。

 

この時代の流れにうまく乗って、家族葬や直葬に特化している葬儀社は今も儲かっています。

 

面倒でもお葬式はした方がいいと思う

お葬式をすることは法的な義務ではありませんが、遺族は遺体を火葬する義務があります。遺族が自分たちの手で火葬するのは大変なので、葬儀社に頼んで直葬してもらうことがほとんどです。

 

直葬は15万円程でできますし、遺族がすることもほとんどないので、面倒ではありません。

 

しかし、個人的には、直葬は少し寂しい気がします。

 

これまでの日本の葬儀は盛大すぎでしたが、人の死を悼む文化はずっと昔からありました。縄文時代にも今の葬儀にあたる儀式がありましたし、アフリカの奥地に住む原住民も葬儀をしています。

 

祭壇を作って、お坊さんに読経してもらう必要はありませんが、死者のご冥福を祈る文化は、人類の根底にあると思います。

 

直葬でも24時間は遺体を安置するので、故人とゆっくりお別れできますが、”式”という形をとらない分、中々気持ちが入りません。

 

故人の家族や親しい人だけで行う家族葬であれば、料金は50万円以内でできますし、故人と親しかった人が集まっているので有意義な時間になると思います。

 

お葬式はたしかに面倒ですが、面倒だから直葬というのも寂しいと思います。

 

お葬式の形は時代とともに変化して当然のものです。私は、今の時代に合っている葬儀の形は家族葬だと思っています。

 

家族葬も面倒なことはありますが、親しい人たちでゆっくりお別れできますし、やり終えたときには充実感があります。

 

今は色々な葬儀の形があるので悩んでしまいますが、自分の葬儀はどんなものにしたいのか、親が死んだらどんな葬儀をしたいのか、少し考えてみるのもいいかもしれません。