11月も終わりに近づき本格的に寒くなってきました。葬儀社の仕事は寒い季節が一番忙しいです。やはり寒いと体調を崩される方が多いので、体力が落ちて病気と闘う力がなくなり、亡くなってしまう方が多いようです。

 

夕方頃、本社に
「父が危篤状態で医師に覚悟だけはしておいてほしいと言われました。今、葬儀社を探しているのですが、そちらに依頼するのとイオンの葬儀社に依頼するのとでは何が違うのでしょうか」
というお問い合わせがありました。

 

私が働いている葬儀社はイオングループが行っている葬儀社の紹介サービスには入っていないので、イオン経由で葬儀を依頼していただくことはありません。

 

お問い合わせをされたMさんは、直接葬儀社に依頼するのと、イオンの紹介サービスを使うのとではどう違うのか気になっているようでした。

 

どちらがお客様にとって得なのかは一概には言えませんが、紹介サービスを通した方が料金が安くなることはあります。

 

お客様が紹介サービスを利用した場合、葬儀社は紹介元から「50万円以内で葬儀をしてください」などのように指示をされます。

 

葬儀社はその金額内で収まるように工夫するので料金的には安くなると思います。ただ、葬儀社はその金額で収まるように何かの費用を削るか、自社の利益を削らないといけないので、直接葬儀社に依頼した方がいい場合もあります。

 

「イオンのお葬式」のホームページにはたくさんの葬儀社の情報が載っているので、時間がある場合は見比べてみるのもいいと思います。

 

Mさんは急を要する事態だったこともあり、電話口でウチの葬儀社に依頼すると約束していただけました。

 

その日の深夜、Mさんからお父様が亡くなったとの連絡を受け、葬儀の依頼を承りました。

 

 

故人・・Mさんの旦那さん
喪主・・MさんとMさんの息子さん二人
参列者・・親族25名のみ

 

 

今回は連名喪主という形になりました。奥さん一人が喪主でもよいのですが、奥さんも高齢でとても気落ちしていたので、息子さん二人も喪主になることになりました。

 

病院にお迎えにあがったのはとても寒い夜でした。故人様は入院生活が長く、奥様も看病にかかりっきりだったので、自宅は片付いておらず、斎場に直接安置することになりました。

 

奥様も息子さんもとてもお疲れのご様子だったので、斎場に安置し終わったら打ち合わせは翌朝に回して、休んでいただくことにしました。

 

翌朝になると皆さん少し元気になっていましたが、あちこちに電話してとても忙しそうでした。とりあえず、菩提寺のお寺に枕経にきていただくのが先決なので、菩提寺に電話していただきました。

 

すぐに菩提寺の僧侶がこられ、枕経をあげられて、葬儀の日取りを話し合いました。スケジュールは空いていたので、順当にその日の通夜、翌日の葬儀、葬儀と同じ日に初七日という形になりました。

 

僧侶が帰られると打ち合わせに入りました。

 

故人様は現役のタクシー運転手で、奥さんも高校で事務をしているとのことで、会葬者はかなり多くなりそうでした。

 

しかし、故人様は生前に「葬儀は家族だけでゆっくり送ってほしい」と言われていたそうなので、家族葬で葬儀をすることになりました。

 

会社関係や学校関係の方々に「葬儀は家族だけで行うので参列はご遠慮してください」という連絡を入れないといけないので、Mさんはその連絡を朝からされていました。

 

Mさんのように会葬者が多そうな場合は、会社としては大きな葬儀を勧めて利益を上げようとします。私も会社から家族葬ではなく、一般葬を勧めるように言われましたが、故人や遺族の気持ちを優先したいので家族葬にしました。

 

Mさんの旦那はお風呂が好きな人でしたが、入院生活ではお風呂に入れず、ずっとお風呂に入りたいと言っていたそうです。

 

そこで奥さんが湯灌(ゆかん)を頼まれました。湯灌とは故人を棺に納める前に納棺師が故人をお風呂に入れてあげる儀式です。

湯灌

 

 

お風呂で体を洗った後は服を着せ替えてお化粧をするので、とても綺麗になります。私の勤める葬儀社では湯灌は7万円かかりますが、奥さんのご希望で湯灌をすることになりました。

 

会葬礼品は葬儀後の手間を省くためにも即返し品(後日の香典返しをしなくてよい礼品)を選ばれました。

 

また、遺影写真の額縁は通常は黒なのですが、奥さんは別の色がいいとのご希望でしたので白木の額縁を用意しました。

 

Mさんのようにご希望や疑問をどんどん言ってくだされば、スタッフとしてもお客様が望んでいることがはっきりわかるので助かります。

 

打ち合わせが終わったのは午前10時半くらいでしたので、通夜が始まるまで遺族の方々にはゆっくりしていただきました。時間に余裕をもたせられるのも家族葬のいいところです。

 

通夜が始まる2時間程前から親戚の方が集まり始め、参列者は25名程になりました。通夜は滞りなく終わり、その後は親族の方々でゆっくり食事していただきました。

 

その日は奥さんと息子さんの家族が斎場に泊まりました。

 

 

翌朝の葬儀、初七日も滞りなく進みました。奥さんはお寺への”お布施”をどのタイミングで渡せばいいのか私に尋ねられました。

 

事情がある場合は初七日が終わった後すぐにお布施を渡してもいいのですが、通例では後日改めてお寺に出向きお布施を渡すことになっているので、奥さんは後日、お寺に行かれるそうです。

 

初七日が終わったあとは、親族の皆様で精進揚げの食事をしていただきました。

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遺族の方にとってもバタバタと大変な二日間でしたが、帰る頃にはとても満足していただけました。

 

今回のご家族はとても穏やかな方たちで、故人の遺志や生前の気持ちを大事にする温かい家族でした。

 

また、希望や疑問はどんどん言ってくださるので助かりました。ちゃんと仕事をしている葬儀社であればお客様に希望を言われて嫌な顔はしないので、どんどん話していただければと思います。

 

明細書は湯灌や即返し品を注文されたので、家族葬として高めの85万円になりました。お布施も含めると総額は105万円程です。

 

家族葬は費用を抑えれば50万円くらいでも可能ですが、100万円を超える家族葬もあります。

 

費用面でも内容面でもどんな葬儀にするかは遺族の方が決めることができます。どんな葬儀にしたいのか少しでも考えておくと、いざという時に悩まなくて済むのでいいと思います。